2015年12月19日土曜日

文字を読む男がいる





大学時代からふすま屋グループにお世話になった。
右も左も分からぬフレッシュな身にとっては、
三つ指ついて、おはようございます! から始まる礼儀は、
本当に窮屈だった。その話はいずれ。

今日はそこにいた中学生の話。
当時、グループに堀越仁(ひとし)という中学生がいた。
不思議な少年で、先輩方に怒られている我々をよそに、
本棚に肩を寄せ辞書をめくっていた。
いつも、ぶつぶつ言いながら。

話しかけても素っ頓狂な声で、まともな返事が返ってこない、
一体彼はどんな仕事をするのだろう?と思っていた(失礼)

あれから10数年たち、ついに昨年、仁(ひとし)が世に出たのだ。しかも!
幼い頃から親しんできた、彼が最も輝く場所の真ん中で。

HPより抜粋。下記。

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私は、文字学の第一人者・故白川静博士より、仁という名を授かり、白川先生を師と仰ぎ生きてきました。

幼少期から中国学に親しみ、同級生たちが漫画を読んでいるときに私は辞書をめくっていました。

白川先生の字書三部作『字訓』『字統』『字通』『甲骨金文学』等を渉猟、文字講話に通う青春を過ごしました。高校時代、佐賀県多久で、石川忠久博士の講演を聞き感銘を受け、そのご縁で、二松学舎大学に入学、現在は博士課程で中国学を研究しています。

2015年1月、海将筑木氏の家系図を訓読し、喜んでいただいたことをきっかけに、私の使命を見出し、文書研究室「静香堂」(せいこうどう)を開設いたしました。

静香堂とは、白川先生の「静」と、父の雅号「香堂」の各一文字をとって私の雅号とし、これを研究室の名とさせていただきました。
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久しぶりに会った仁(ひとし)は、
相変わらず何事かいつもぶつぶつと話していたが、
大人になっていて、もう素っ頓狂でもなく、
まともな返答ができるようになっていた(当たり前)

彼のHPを作らせてもらうという栄誉に預かった。

写真撮影は、早稲田の街を歩きながら、いい場所を探した。
暑い最中スーツを着ているのに不満の表情を一切見せず、
彼は、ありがとうございます、と繰り返していた。

相変わらず何事かいつも楽しそうにぶつぶつとつぶやいている。
不思議なヤツだなー(失礼) と思いながら色んな姿勢を撮ってもらった。
どれもいいけど、決め手には遠い。そして最後、

「辞書読んでるポーズしてくれる?」と頼んだら、
僕を連れて一気に文字の世界に入り込んだのだった。
文字を読んでいる時の仁は菩薩のような顔をする。
幸せそうな少し微笑んでいるような。

本の世界に生きている人だ、と思った。

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彼は本当に一生懸命に解読します。
彼の人生そのものですから。

読めない文字の書かれたものがありましたら、
文書研究室・静香堂までご連絡ください。


文書研究室・静香堂
住所:東京都新宿区西早稲田2-13-2 
   早稲田ガーデンハイツ1F
  (早稲田ホームサービスグループ方)
電話・FAX:03-3203-1458
Mail:mail@seikodo.me

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