2015年7月17日金曜日

颯爽と伝票を出して 「別々で」 と言ったのだ。




久しぶりに早稲田に来た。
早稲田、といえば、大学であり街の名前でもある。
案外そういう大学は珍しい。

早稲田に入れば面白い人がたくさんいるのだろう
と憧れて一生懸命勉強した。

当時読んでいた参考書の豆知識欄には、
大学の試験(入試ではなく期末テストみたいなやつ)では、
「校歌を書けば単位はくれる」と書いてあって憧れた。

しかし入学後あっさり失望して旅に出てしまった。

ただ、先生たちは変わった人が多くて
試験で旅の話を書いていたら単位は全部きた。
イギリスの野党政治みたいなクラスのテストでも、
ヒッチハイクで出会った人の話を書いていたら単位は来た。

後になって分かったのは
面白い奴は大学には来てない
ということだった。


早稲田にもおしゃれな店がたくさんできた。
アップルパイを食べながら考え事をしていると
先輩が後輩にあれやこれやと語っていた。

この街には馴染みのある光景だと思っていたが違った。

先輩は

颯爽と伝票を出して

「別々で」

と言ったのだ




早稲田はもう アップルパイが似合う街になっちまった。

しかも美味い

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